もう少し行けばロリクステッドにつくはずよ。
そこで一休みするのも悪くないかもね?
モーサルを目指す4人は、ヴィリヤの提案を聞いて「大賛成~!」と声を合わせた。
オーリにヴァレンウッドの話を聞いたり、ルシアンの”哲学者”としての講義を聞きながら賑やかにロリクステッドを目指していると、前方から近づいてきたのは怪しげな二人組の女性。
お前が話している相手がステンダールの番人だ。デイドラと一緒になって浮かれてたら追いつめてやるぞ
ステンダールの番人…
リリは、ぽかーんとした顔で彼女たちを見ると思いつく限りの質問を投げかけていく。
分かったことは、ステンダールというのはタムリエル全域の秩序と正義を守っている慈愛の神であること。
その番人とは、オブリビオンの動乱の後に設立された教団であり、普段は”番人の間”という所で過ごしながらデイドラの脅威に立ち向かうことに生涯を捧げているのだとか。
スカイリム支部の代表はカルセッテという女性で治癒や正義を与えているらしい。
デイドラのなにがそんなに危険なのかと聞くと…
「罪をあがなうって意識がまるでない、罰当たりな生き物だ。汚れなき人々を死に誘い込み、触れるものすべての魂を汚す。
そして異端の秘宝は定命の者に権力を与え、タムリエル一帯に大惨事を引き起こしている。
連中を打ち破るか、誘惑を防いで身を守るかしかない。」
との返答。
そしてステンダールの番人たちはデイドラだけではなく、吸血鬼やウェアウルフ、魔女たちも同時に狩っているようだった。
彼女たちは去り際に「常に明るい所を歩くように、力ずくでもそうさせるからね」と言い残し、静かにファルクリース方面へと歩いていった。
気を悪くしないでほしいんだが…本当にリリはステンダールの番人のことを知らないのかい?
かなり有名だと思うんだが…
うーん、、あのね、シロディールから来たって言ったけど私が住んでたのは山奥の辺鄙な場所だったの。
まぁ、盗賊の拠点だからね…。
それに、まだ未熟だったから訓練の日々で、みんなが仕事で街に行くことになっても私はまだ連れて行ってもらえなかったんだ。
だから、世の中の事はあんまりわかってないんだよね~。
ルシアンは納得した様子で「なるほど!じゃあ、私がこの世界のことを一から丁寧に教えよう!まずは哲学の話からした方がいいかな…いや待てよ…やっぱり…」とブツブツ言い出したところで目の前に大きな門が見えてきた。
町に入ったすぐ右手には大きな畑があり、気候も良く、ここに住む人たちもそこそこの人数がいるようだった。
「ここがロリクステッド?うわー広い畑!これはおいしいごはんにありつけそうだね!」
リリがはしゃぎながら畑を眺めていると、後ろの方でオーリのも「おなかすいたな…鹿肉のシチューとか食べたいかも…」と呟いている。
「シチューいいわね~」と言いつつも「でも、この町に宿屋はあるのかしら?」と周りを見渡すヴィリヤ。
すると…
ごはんのこととなるといち早く動くのがリリである。
すぐに宿屋の看板を見つけると「早く行こう行こう~!」と走っていってしまった。
いらっしゃい。ほしいものがあったら何なりと。確かこの辺にきれいなカップがあったんだが
宿屋に入ると主人のムラルキが早速声をかけてきた。
4人はそれぞれ好きな料理を注文し、ひと時の和やかな時間を楽しむ。
オーリ、君のことを少し教えてくれないか?帝都にはボズマーの伝統に関する本があまりなかったもので
何を聞きたいのか、もう少し具体的にできるかしら、ルシアン
オーリは「ボズマーの伝統について尋ねるのは、魚に水のことを尋ねるようなものよ。何に興味があるの?食事?求愛の習性?信仰?」と尋ね返した。
ああ…なるほど。食べ物から始めるのがよさそうだ!思うに、ウッドエルフは森の恵みを料理するんだな!
「どんな料理が好きなの?」と聞くルシアンに、オーリは「鹿シチューね」と答える。
そしてルシアンの次の質問が驚きだった…
ボズマーが共食いをするという噂があるんだが…ただの噂だよね??
横で聞いていたリリも突然の質問に驚きを隠せない。
するとオーリは全く動じずに「ん?それは本当よ。敵を食べたりするわ。信仰上の問題なの」と言い放ったのだった。
一瞬その場の空気が固まったが、ルシアンは「なるほど。。実に…素敵な伝統だ。」と顔を引きつらせながらも一生懸命笑顔を作っているのがわかった。
ルシアンが「ワインをもらってくるよ」と席を立った後、リリはオーリにさっきのことを聞いてみる。
「敵を食べるって本当なの?」と聞くと、オーリはにっこり笑って「そうよ。ミート・マンデイトといって、グリーンパクトの一部なの。」と続ける。
一族がイフレと交わした契約らしく、保護と祝福を受ける代わりに植物の命を奪わないことを誓ったんだとか。
「じゃあ、リバーウッドに薪割りで生計を立てているボズマーがいるんだけど…彼は異端ってこと?」
「厳密にいえばグリーンパクトはヴァレンウッドの植物にだけ当てはまるから、スカイリムで薪を割っても罪にはならないわね。
けれど気にならないわけではないわ。恥じるべきことではあるわよ。」
オーリによると、イフレとは”語り部”であり”歌の神”であり”森”であり”現在”なのだそうだ。
それじゃあ、死んだ家族を入れ替える儀式があるっていうのも本当なの?
いつの間にか横に立っているヴィリヤも興味津々で聞く。
オーリは「ああ、弔い合戦のことね!それがなにか?」と、またも不思議そうに答えた。
一体どういうことなのかと聞くと、部族間の抗争で誰かが死んだ場合、その遺族は敵の部族から人質を取れるんだとか。
その人質は拷問されるわけだけど、その拷問に耐えて生き延びることができれば死んだ人の代わりに家族に迎え入れられると…
「…うーん…なんでそうなるのかさっぱりわからないんだけど…それってなんか変じゃない?」
するとオーリは「なぜ?」と聞き返し、彼らは愛すべき家族になれるのよと言った。
死んだ人が持っていた財産や称号も受け継ぐことができる。そうして家族は愛する者を取り戻すことが出来るの、と…
いやいや、なんなんだその自己中さは…
「だって拷問されるんでしょ?そんなことする人たちと家族になったとしても、拷問を受けた側は受け入れられないんじゃないの??オーリがその立場だったら許せるの?」
オーリは少し考えて「……そうね…一理あるかもしれない…」と黙ってしまう。
「だけどずっとそうしてきたからわからないわ。家族を入れ替える以外の他の方法なんて思いつかないし…」
その言葉にオーリも納得したようで、「…ええ、その通りね。色々考えさせられたわ。ありがとう」と笑った。
彼女は「豊かな森林や太陽の光が恋しい…」と少しホームシックになっているようで、「いつかヴァレンウッドに帰るの?」と聞くと、悲しげな顔で「帰れないの…」と一言つぶやく。。
「どうして?」と聞くも「今は話すつもりはないわ…いつかまたね」と寂し気な彼女に、リリとヴィリヤは「何か手助けできることがあればいつでも言ってね。」と肩をたたいたのだった。
しばらくすると、一つの部屋から激しい言い合いが聞こえ始めた。
「痛い目に合うわよ!」と叫ぶ少女の声…
何事かと思い行ってみると、どうやら二人の少女が喧嘩しているようだ。
どうして?私が何をしたの?
日が沈むまでまでに庭の草取りをするように言ったのに、やってないのね。大変なことになるわよ!
パパは、”私”じゃなくて”あなた”にやれって言ったのよ!もうほっといて!
今にも掴みかかりそうな勢いで言い合う少女たちに「ちょ、ちょっとストップストップ!」とリリは駆け寄ったのだった…
子供の美化MODについて
最初のころは「The Kids Are Alright SE」というMODを使わせて頂いてたのですが、最近消えてしまったので急遽変更しました。
それが「Realistic RS Children Overhaul」
上のシセルとブリッテもこちらの美化になっています。
それぞれの子供の個性がとても出ていて、初めて入れてみたんですがすごく気に入りました。
できれば「Interesting NPCs」の子供たちもこの方に作ってほしいですね~!