アダルヴァルドの日記と石のモノリス

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達人級の鍵がかかった宝箱からお宝をゲットしたリリ。

「あとで山分けしようね、欲しいものがかぶったらじゃんけんで(‘Д’)」

「氷雪の杖か、ぜひそれを頂きたいところだが…」

「私はティアラが欲しいわ」

「ここには食べるものなさそう…」

最後のオーリの言葉に、全員が「ないだろうな…」と思いながら3番目の通路を進んでいく5人。

開けた場所に辿り着くと、先頭を切っていたイニゴが「待て」と小声で言った。
そっと後ろから覗いてみると、奥の方に吸血鬼が一人座っている。
もう少し近づいて仕留めようと歩を進めたときだった…

先ほどと同様、水の中からスケルトンが立ち上がってきたのだ。

「誰だ!」

奥のほうにいた吸血鬼もそれに気づいたようで、どんどんこちらに向かってくる。
が、スケルトンはもちろん、この吸血鬼もさほど強くなく一撃でパタリと倒れる。

やっぱり吸血鬼って弱いんじゃ…

道なりに進んでいくと突き当りになった。道は左へと続いている。
スニークするのも忘れ、何も考えずその左の部屋へと足を踏み入れた時、違和感に気づいた。

…ん?

…吸血鬼…?

あちらも一瞬何が起こったのかわからないという表情でこちらを凝視すると、数秒後、目が覚めたようにこちらに向かって走ってくる。

そして、この騒ぎを聞きつけたのか奥からもデスハウンドを引き連れた吸血鬼が…!

私はあっちのやつをやるから、こっちは頼んだわよ!

「わかった!」

リリとイニゴは右にいた吸血鬼の相手をし、ヴィリヤとオーリは走ってきた方に攻撃!
ルシアンはデスハウンドと格闘中である。

もうすぐ倒せると思ったその時、後方から「いやぁー!」という叫び声が聞こえた!

振り返ると、今まさにヴィリヤに飛びかかろうとしているデスハウンドの姿が…!

間に合わない…!

そう思った瞬間、聞こえてきたのはオーリの声。

そう叫んだかと思うと、その弓を素早く引くオーリ。
矢はデスハウンドのこめかみに命中し、続けて吸血鬼に向けて何本もの矢をすごいスピードで打ち込んでいく。

暫くの格闘の末、なんとか敵の全滅に成功。

傷を負わずに済んだヴィリヤは、オーリに走り寄ると「本当にありがとう!もうだめかと思ったわ」と涙目だ。

私が一番後ろを歩いてるのは、こんな時のあなたたちを守るためよ。
前はあなたが守ってるんだから、後方からの支援は任せて♪

気を取り直し、さらに奥へと進んでいく。すると、今度は変な声が…

「あははは!見つけたぞ!」

声のする方へそぉっと近づいていくと、閉じられている門のその向こう側で、吸血鬼の男が武器を振りかざし大きな蜘蛛と格闘していたのだ。

異様なテンションで飛びかかっていく吸血鬼に蜘蛛は少し困惑気味のご様子…

よく見ると吸血鬼の胸には「吸血鬼の長」と名札がついている。(※実際には付けてません(;・∀・))

吸血鬼の長だって!こりゃあ蜘蛛も一瞬でやられちゃうだろうな~

と、言った瞬間「うぐあぁびゃああぁ」という断末魔が…

あ………

見ると、長がうつ伏せで倒れていてピクリとも動かない。

「…やっぱり…吸血鬼って弱いんじゃ…」
リリのその言葉に、今度はヴィリヤも何も言わなかった。。

しかしこうなると、これからリリ達があの大蜘蛛と戦わなければならないということになる。

「蜘蛛は苦手なんだよね~…」
そうぼやくリリにイニゴが一言。

「リリ!蜘蛛の時間だぞ!やった!」と超嬉しそう…

え…まじかいな…と思ってイニゴを見つめると「苦手なのか!?いいぞ、任せろ!俺といる間にお前が蜘蛛と戦うことはまずない!」と言うが早いか、その大きな蜘蛛に向かって走り出した。

いやもう、ほんとに楽しそう(*‘ω‘ *)
どうやらイニゴは蜘蛛が大好きらしい。

軽い足取りであっという間に蜘蛛を退治したイニゴは、満足げに「やっぱり蜘蛛は素晴らしい~♪」と鼻歌交じりで戻ってきたのだった。

さぁ、お次はなんだ?と付近を見てみると、そこに一つのドアが。

「そこに入れってことね…」

一行は足音を忍ばせて静かに扉を開けた。

「その言葉を信じよう、番人よ」

すぐに聞こえてきたのは吸血鬼と思われる声で、しかも番人に話しかけているようだ。

まずい!と思ったリリは、下の方から聞こえてくるその声へ全速力で走り出した!

その言葉を信じよう、番人よ。どうやら自分が見つけたものの意味すら理解していないのだろう

そこには、後ろに手を縛られ今まさに殺されようとしている男の姿が…!

「ちょっと!!」

そうリリが叫んだと同時だった。

吸血鬼はその男に攻撃を仕掛けると、男は「ううぅぅ」と呻きバタリと倒れる。

そしてすぐに吸血鬼2人はこちらを仰ぎ見て「なんだ!!?」と叫んだ。

突然飛び降りたリリに、後ろにいた4人も大慌てで後を追う!

ルシアン達が走り出したと同時にリリは着地。
そして、すぐに弓を構えると「見つけたぞ!」と叫びながら迫ってくる吸血鬼をバッタバッタと矢で打ち抜いていく。

4人が下へ飛び降りた時には、もう吸血鬼たちは息絶えていた…

ちょっと!急に一人で走り出さないでよ!
危ないでしょう!?

不安と怒りがない交ぜになったような顔でリリにつっかかっていくヴィリヤ。

「うん、ごめん…。でも…この人助けられなかった…」

そう悔しそうに見つめる先には、先ほどまで生きていた男がきつく目を瞑ったまま倒れている。

ステンダールのアミュレットを身に着けたその男の横には「ディムホロウ墓地に関する覚書 第3巻」という本が落ちており、著者には「アダルヴァルド」と書かれていた。

「この人、トランが言ってたアダルヴァルド修道士だ…」

本を拾い中身を確認すると、内容は概ねこんな感じだった。

アダルヴァルドはこの場所で大きな発見をした。
この洞窟の中央には石の島があり、それは儀式用の構造物だと思っていること。
そして、石の切断面や彫刻の際に使った道具を考えてみても、この建築様式は古代のノルド人のものではなく、墓地が造られた後に別の匠たちの手で造られたものだと確信しているということ。

この奇妙なアーチを造った人物は、死霊術や吸血症に対して好意的な人物であったように思うこと。
そして、アダルヴァルドは最後にこう綴っていた。

私は番人の間へ戻り、この発見を同士たちに伝えねばならない。私の発見をその目で確かめれば、もう彼らも私の理論をあざ笑ったり、私の努力を茶化したりはしなくなるはずだ。

トランが言っていた「彼の話に誰も耳を貸さなかった」ことがずっと悔しかったんだろう。
しかし、こうなってしまってはもう伝えることもできない。

「トランとアダルヴァルドの想いは絶対持って帰らないとね…!」

リリ達は、これから対峙するであろう敵との戦いに気合を入れなおした。

息をひそめて先へと進む一行の前に現れたのは、アダルヴァルドが書いていた「石の島」でうろついている吸血鬼2人。
こちらに全く気付いてないので、いつも通りスニークのまま一発で仕留める。

中央まで進んでいくと、そこには押してくださいと言わんばかりのボタンが。

その周りには、かがり火台と思われるものが6個配置されている。

怪しさ満点のそれをしばらく見つめた後、リリは恐る恐るボタンに手を置いた。

そして「えいやっ」と押した瞬間…

ガシャン!という音が響き渡り、ボタンの中央からぶっとい針が出てきたかと思うとリリの掌を貫通!

「ぎゃあぁぁぁぁぁあああぁ!!!!!」

!?ちょっと、大丈夫!?……大変!

近くで見ていたオーリが一番に駆け寄ってきてくれた。
リリが「痛い痛い痛い…!!」とバタつくたびに、その掌からは血が溢れ地面へと沁み込んでいく。

その時、異変が起きた。

深い紫色の光がぼぅっと地面から立ち上る。
その異様な光景に目を奪われながらも、「とにかく先に手当よ」と優しく薬を塗ってくれるオーリ。
彼女の薬は本当に効き目抜群で、すぐに血は止まった。

まだ少しジンジン痛む右手を庇いながら「とにかく先へは進んだってことかな…」と、次にかがり火台へと歩き出す。
それは中央から延びる溝に沿って置かれており、少し押してみると簡単に動かすことができた。

そして一番奥へと配置すると、周りを囲んでいる光と同様の紫の炎が灯る。

こなるほど、6個とも炎がつくところまで移動させればいいんだな

五人は手分けしてかがり火台を移動させ、ルシアンが最後の台に炎を灯した時だった。

地響きがしたと思ったら中央から凄まじい光が放たれる。
そして地面の一部が下がり始め、それに比例して中央にあったボタンの全容が明らかになっていき…

「うわっ!なに!?…ドシンッ…っつ…!」

地響きが終わり、紫の光も消えていこうとしている中でリリは一人尻もちをついて顔を歪ませていた。

「ほんとに…今回は怪我しっぱなしなんだけど…」

そうお尻をさすりながら起き上がると、目の前には大きな石の物体が…

なんだこれ…!?

突然現れた物体に、一同あんぐりと固まっている。

これは一体…?

よく見てみると何かを作動させるようなものが設置されている。

「まあ、、動かせってことよね…」

リリがそう言いつつ後ろを見ると、みんな「うんうん」と頷く。

中から一体何が出てくるのか…

5人は攻撃態勢万全の格好でそっと石のモノリスを作動させたのだった。

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